KVMスイッチ、シリアルコンソールサーバ、リモートアクセス機器の販売を手がけるRaritanの日本法人である日本ラリタン・コンピュータは9日、手のひらサイズのシングルポートKVM over IP製品「Dominion KX II-101」を発表した。発売は5月19日から、価格は12万円となっている。
Dominion KX II-101は、ゼロUサイズの小型KVMで、1台のPCやサーバをインターネット経由でリモート操作できるスイッチレスKVM。これにより、IT管理者は離れた位置にあるサーバやPCで発生した障害に即座に対応し、復旧にあたることが可能となる。
操作は単一のWebブラウザを通して行うことが可能だ。これにより、障害の切り分けからサーバの再起動、パッチファイル当てなどの、サーバのトラブルシューティングやメンテナンスを行うことができる。
また、分散型リモートサイトの効率的な管理を実現するために、「仮想メディア」「ずれないマウス」「ローカルポートアクセス」などの機能が搭載されているほか、セキュリティ機能も従来の128ビットのものから256ビット AESおよびRC4を使ったものへと引き上げられている。
仮想メディアは、KVMにUSBポートを備えることで、リモートコンソールに接続されたCD/DVDドライブ、USBメモリ、ISOイメージファイル、ローカルドライブなどをターゲットのサーバにマウントすることが可能な機能。これにより、単にキーボード、ビデオモニタ、マウスを監視するだけでなく、パッチやソフトウェアのインストール、ファイルの転送、データのリカバリなどをリモートで行うことができるようになり、同社では、「問題の特定から対処までできるようになった」と語る。
ずれないマウスは、これまでの遠隔操作で生じていたマウスカーソルの遅延を解消する機能。これにより、クライアントPCとターゲットサーバ間のマウスカーソルを同期させるために必要としていた手動によるマウスのパラメータ調整は不要となる。
ローカルポートアクセスは、オプションとして提供される機能。Dominion KX II-101に用意されたローカルポートを用いることで、リモートでの監視のみならず、現場での作業を可能にする。
同社では、「Dominion KX II-101を支店や地方拠点などに置かれたサーバに接続することにより、サーバ管理のリモート化を実現し、IT要員の集約が可能になる」としている。また、システム開発会社から納入されたシステムがユーザ側で問題が発生した場合でも、開発担当者はリモートで状況の把握と適切な解決を図ることが可能になるとしている。