日立製作所は8日、カナダのID管理ソフトウェア企業、M-Tech Infomation Technologyの株式の過半を取得し、社名変更してHitachi ID Systemsを設立した。

今回のHitachi ID Systems設立は、内部統制や個人情報に関連する法制度の整備に伴って企業/団体における情報システム管理、情報セキュリティ対策の強化が急務となりつつある現状をうけて、欧米を中心に急成長しているID管理ソリューション市場に早期参入することを目的としたもの。とくに情報漏えい対策やコンプライアンス対応の強化において、ユーザ認証、アクセス権限管理の高度化にむけて欧米市場を中心にID管理へのニーズが急速に高まっている。

M-Tech Infomation Technologyは、高度な機能を備えながらも導入が容易で、かつ低コストでの運用が可能な製品と優良な顧客ベースを持つことから今回の買収の対象に選ばれた。Hitachi ID Systemsでは、既存のM-Tech Infomation Technologyの事業や経営陣を継承しながらも日立の総合力やブランド力を活用し、製品力や保守を含めたサポートサービス力のさらなる強化を図る。また、指静脈認証、RFID、スマートカードといった日立の情報セキュリティ関連技術と組み合わせることで、情報セキュリティソリューションの強化も行っていく。さらに、異種多様なシステムが混在する環境下での業務システムの構築を容易にする基盤ソフトウェアを、従来の基盤ミドルウェアと業務アプリケーションの中間に位置する「付加価値ミドルウエア」と位置付け、今後、情報システムのセキュリティ、コンプライアンス、リソース管理などの分野を中心に順次「付加価値ミドルウエア」の製品群の充実を目指す。