米MokaFiveは4月7日 (現地時間)、企業向けデスクトップ仮想化ソリューション「MokaFive Virtual Desktop Solution」を発表し、プレビュー版の提供を開始した。手軽なデスクトップ向けバーチャルマシン (VM) イメージの作成と配信・アップデート、リモートアクセスとモビリティ、セキュアな仮想環境などを実現。「過去20年にわたって存在し続けたデスクトップ管理の問題を解決する」としている。
MokaFive Virtual Desktop Solutionは、デスクトップOS、アプリケーション、管理ツールなどを1つにパッケージングしたLivePCフォーマットを採用しているのが特徴だ。MokaFive Creatorを用いたLivePC (VMイメージ)作成は、OSの指定、タイトル設定、インストール・ソースの指定、アプリケーションのインストール、ロゴの挿入など、わずか5ステップで完了する。配布もMokaFive Creatorのパッケージ&アップロード・ツールで条件などを指定するだけ。エンドユーザには、電子メールでLivePCへのリンクを伝えるか、LivePCを収納したUSBドライブを配布する。
エンドユーザーはLivePCをクリックするだけで、Windows PCまたはMac上でLivePC環境を利用できる。1台の対応パソコンで複数のLivePCを同時に展開可能。USBドライブを持ち歩けば、異なったPCで常に同じ環境を利用できる。アップデートはRSSフィードと同様のプロセスで配布される。ダウンロードユーザーは、独自のPredictive Fetch技術によって、ダウンロード完了を待たずにLivePCを利用できるそうだ。スパイウエアやマルウエアの被害から自動的に元の状態に戻すRejuvenation技術を備えるほか、BareMetalによるセキュリティ強化が可能だ。
「小規模なユーザーごとにサーバが必要となる今日のVDI(バーチャルデスクトップインフラストラクチャ)ソリューションと異なり、LivePCはダイナミックにアップデートまたは"live"イメージを配信し、数千人規模のユーザーを1台のサーバでサポートできる」とMokaFiveの共同創設者でありチーフサイエンティストのMonica Lam氏。MokaFiveはスタンフォード大学の研究者によって設立されたスタートアップで、Lam氏は同大学のコンピュータ科学部の教授である。今年3月にMicrosoftが買収を発表したKidaroもMokaFiveと同様のソリューションを開発しているが、これに対してMokaFiveは、OSの多様性、オフラインモードでの動作などのメリットを備える。
MokaFiveは、米国時間の4月8日にIDC Virtualization Forum、同4月10にSAP Virtualization WeekでVirtual Desktop Solutionのデモを行う予定だ。