米imeemは4月7日 (現地時間)、デジタルコンテンツ識別技術を開発する米SNOCAPの買収を発表した。

SNOCAPは、P2P型ネットワークNapsterの生みの親として知られるShawn Fanning氏が設立したことで話題になった。デジタル指紋技術を使って楽曲を識別し、登録曲のデータベース (Digital Registry)と照合する著作権保護のプラットフォームを開発・提供している。オンライン音楽ストアのほか、楽曲のやりとりを管理しにくいP2P型ネットワークでも利用できるのが特徴だ。メジャーレーベルや大手インディペンデント・レーベルだけではなく、小規模インディペンデント・レーベルや個人アーティストでも楽曲をアップロード・登録し、デジタル音楽配信をコントロールできる。現在Digital Registryには700万曲以上が登録されており、The Rolling Stones、Coldplay、Diddy、Nickelback、Corinne Bailey Raeなどを含むメジャーアーティストのほか、110,000を超えるインディペンデントアーティストがSNOCAP MyStoreを利用している。

米3位のソーシャルネットワーキングサービス (SNS)であるimeemは、メンバーがアップロードしたデジタル音楽を他のユーザーがストリーミング再生できる広告ベースの無料サービスを提供している。ただしストリーミング共有できるのは著作権者が使用を許諾した曲のみで、ユーザーがimeemにアップロードした楽曲の識別にSNOCAPの技術が採用されている。

米国時間の4月3日に米SNS最大手のMySpaceが大手レーベル3社とデジタル音楽サービスの合弁事業設立を発表、ソーシャルネットワーキングを特徴とする音楽サービスの提供に乗り出した。計画中のサービスには広告ベースの無料音楽ストリーミングが含まれており、imeemの直接的なライバルとなる。そのMySpaceでも、インディペンデントアーティストがデジタル音楽を配信・管理・販売する手法としてSNOCAP MyStoreを利用している。imeemによるSNOCAP買収は今年2月から何度も噂になっては消えていたが、MySpaceのデジタル音楽サービスへの本格参入が合意を後押しするきっかけとなった模様だ。なお買収金額の詳細は明らかにされていない。発表文書によると、SNOCAPのCOOであるAli Aydar氏がオペレーション担当バイスプレジデントとしてimeemに移る。Aydar氏はSNOCAPおよびオリジナルNapsterに初期の頃からの参画していた。