Trolltechはノルウェー時間の4日、GUIツールキット「Qt 4.4」のリリース候補第1版 (RC1) を公開した。正式版のリリースは、2008年第2四半期の中頃が予定されている。
Qtは、統合デスクトップ環境「KDE」への採用などで知られる、C++で記述されたGUIツールキット。開発元のTrolltechは、従来よりマルチプラットフォーム対応を進めており、今回のリリースから新たにWindows CEが動作環境に加えられた。同社は2008年1月に携帯電話大手Nokiaに買収されており、Windows CEのサポートはNokiaグループによるモバイル / 組み込み機器のサポート強化とも解釈できる。
Qt 4.4は、Mac OS XデフォルトのWebブラウザ「Safari」のほか、Adobe AIRやGnome Epiphanyに採用されているオープンソースのHTMLレンダリングエンジン「WebKit」を統合、「Qt WebKit」として実装することにより、Safari 3との互換性を備えた、Webコンテンツと高い親和性を持つアプリケーションの開発が可能になった。
ほかにも、KDE 4.0のマルチメディアAPI「Phonon」で使用されているマルチメディアフレームワークや、XMLサポートの強化、マルチスレッドアプリケーション開発に有用な並列処理用のフレームワーク「Qt Concurrent」の追加などが行われている。