LSIは、ネットワーキングOEM企業向けコンテンツインスペクションプロセッサ「Tarari T1000」シリーズを発表した。コンテンツインスペクションは、ネットワーク上に流れるパケット情報を監視する機能。E-mailやファイル転送などで送られたドキュメント、テキスト、署名などから、悪意のあるパケット情報を見つけ出すことができる。
データレート250Mbpsおよび500Mbpsで動作する構成では、外部メモリを不要としている。RAM不要モード動作構成では、ホストCPUシステムのメモリを共有することで、低コスト化と低消費電力化を実現する。また、DDR2メモリを1つ追加するだけで、1Gbpsないし2Gbpsでの動作も可能となる。
同プロセッサはRegex (正規表現) ルールを用いることで、100Mbpsから10Gbpsの速度にわたるアプリケーションにおいて、同じ開発結果を活用できるようになりエンジニアリングコストの節減と市場投入までの時間短縮を実現する。
また、設計者は、CPUのクロック周波数を下げるフレキシビリティ性能の保持と高価なCPUコアの使用数の低減により、全体的なシステムコストおよび消費電力の低減が可能だ。さらに、同プロセッサを使用することで、既存のソリューションと比べ、基盤占有面積を1/10に低減することが可能となる。
同社ネットワーク・コンポーネント・グループ担当シニア・ヴァイス・プレジデントであるRandy Smerik氏は、T1000について、「2007年10月にLSIは、Tarariを買収したが、今回投入されたT1000は、買収以来、急速に進むコラボレーションを示す、最適な例といえる」とコメントしているほか、「同ソリューションは、ネットワークにより高いインテリジェンス、コントロール、およびセキュリティといった性能を加えるための全体的なコストダウンを進め、今年すでに生産が開始されたマルチギガビット・ボードレベル製品をサポートする」と語っている。