業務ソフトウェア大手の独SAPは2日(ドイツ時間)、現在CEO代理を務めているLeo Apotheker(レオ アポテカー)氏を共同CEOにすることを監査委員会が決定したと発表した。

これにより、当面の間は、これまで単独でCEOを務めてきたHenning Kagermann(へニング カガーマン)氏と2人体制が敷かれることになる。同社はまた、初のCOO職を設けることなども正式に発表、熾烈化する業務アプリケーション分野の戦いに向けて、経営改革を進める。

次期CEOの線が確実となった
Leo Apotheker氏

Apotheker氏はSAPに19年勤務しているベテランで、現在営業、コンサルティング、マーケティング、パートナー管理などを統括している。Shai Agassi氏が昨年3月にSAPを辞任した後にCEO代理の座に就いた。Agassi氏とともに次期CEO候補といわれてきた人物だ。

Apotheker氏は今後、共同CEOとして、Kagermann氏とともに経営全体を統括していく。今年後半からは、重要な意思決定はApotheker氏が行っていくという。この人事は即時発効となる。

今回のApotheker氏の共同CEO任命は、同氏が将来的に単独でCEOとしてSAPを率いるための移行期間に入ったといえる。SAPでは、トップのスムーズなマネジメントの移行期間に向けた準備、と説明している。

SAPの共同設立者であり、監査委員会会長のHasso Plattner氏は、「Apotheker氏の任命はKagermann氏によるもの」とし、「後任者となるための準備を進めるため、監査委員会にApotheker氏の共同CEO就任をリクエストした」と述べている。

Kagermann氏は2003年にCEOの座についているが、やはりその前に共同CEOとして準備期間をもっていた。監査委員会は2007年2月、Kagermann氏のCEO期間を延長しており、現在の任期は2009年5月までとなっている。

SAPは同日、コーポレートオフィサーのErwin Gunst氏、Bill McDermott氏、Jim Hagemann Snabe氏の3名を取締役会に追加し、取締役会を合計10人にすることも発表した。この人事は、7月1日に発効となる。中でも、Gunst氏はSAP初のCOOの座に就任する。ここでは、オペレーションやプロセス効率化を担当するという。