携帯電話向けOSを開発/ライセンスする英Symbianは3月31日(米国時間)、データベースの「Symbian SQL」、位置情報サービスアーキテクチャの2つの最新機能をローンチしたと発表した。米Dolby Laboratoriesとの提携も正式発表、同社のモバイル用オーディオ機能「Dolby Mobile for Symbian OS」を利用できるという。これにより、高度化、多機能化する携帯電話の需要に応える。
Symbian SQLは、組み込み用の軽量なデータベース管理システム「SQLite」のSymbian実装。堅牢性と拡張性を特徴とし、携帯電話での情報検索やソートを高速化できる。これにより、ライセンシー各社は大容量データを取り扱う機種やサービスを開発できるという。アプリケーション開発者は、標準的なクエリ言語を利用できるため、保守コストやアプリケーションの容量を縮小できるという。
SQLiteは、SQLite Consortiumの下でオープンソースとして開発されている。Symbianは同コンソシアムに2007年末に参加、以来、開発にかかわっている。
第2四半期中に開発者向けにダウンロード提供を開始する。Symbian SQLを搭載した携帯電話は今年後半に登場の予定という。
位置情報では「Location Based Service(LBS)」アーキテクチャを提供することで、非常時サービスによる追跡、写真と画像へのジオタグ付け、コンタクトリストにある友人の位置情報把握、最寄にあるサービス検索、目的地への接近度合いを示すアラート、高度なルート検索、現在情報の精密表示などが可能になる。
A-GPS、Wi-Fi、ネットワークベースなど複数の位置技術に対応し、正確な位置情報を高速に提供するという。携帯電話メーカーは、位置情報関連として別に投資をすることなくサービスに対応できることから、開発コストと時間を大幅に削減できるとしている。また、一貫性のあるAPIを提供することでS60、UIQ、MOAPと異なるSymbian OSインタフェースに同時に対応できるのも特徴。開発者は複数のSymbian携帯電話機種をターゲットにサービスを開発できるとしている。
携帯電話でのナビゲーションや地図情報サービスは、世界的なトレンドになっており、Symbianによると、現在ローンチしているSymbianベースのスマートフォンのうち、約3分の1はGPSに対応しているという。
同アーキテクチャはすでに、日本のFOMA向け端末で採用されており、欧州でも年内に第1号機が登場する予定という。
Dolby LaboratoriesはSymbianのパートナープログラム「Symbian Platinum Partner Program」に参加、モバイル端末向けのDolby Mobileを提供する。これにより、音楽や動画などマルチメディアサービスをさらにリッチにできるとしている。
Dolby Mobileを搭載した携帯電話は、「FOMA SH905iTV」などFOMA端末にいち早く搭載されているという。