MIT Kerberos Consortiumは3月31日 (米国時間)、米Microsoftが設立スポンサー(Founding Sponsor)として同コンソーシアムに参加することを発表した。

Kerberosは、ネットワークにKDCという鍵配布センターを設けて、共通鍵暗号を用いながらサーバとクライアント間で身元の確認を行うためのネットワーク認証プロトコルだ。1980年代にマサチューセッツ工科大学 (MIT)の研究プロジェクト「Athena」で開発された。強力な相互認証を実現できるため、一般のインターネットユーザーをフィッシングやその他のサイバー攻撃から守る仕組みとして注目されているが、大企業のネットワークでしか採用されていないのが現状だ。そこで同プロトコルをベースに、コンピュータネットワーク全体を保護する共通認証プラットフォームの実現を目指して2007年9月にKerberos Consortiumが設立された。Apple、Centrify、Google、Sun、スタンフォード大学、TeamF1、ミシガン大学、米国防総省などが設立スポンサーに名を連ねる。

Microsoftは、Windows 2000、Windows XP、Windows Server 2003、Windows Vista、Windows Server 2008、Microsoft Active Directoryの主要認証方式などにKerberosプロトコルを採用している。「数多くのユーザーを抱えるMicrosoftのKerberos Consortium参加のインパクトは大きい」とKerberos ConsortiumのエグゼクティブディレクターのStephen C. Buckley氏。