電気自動車インフラベンチャーの米Project Better Placeとデンマークの電力会社DONG Energyは3月27日(現地時間)、電力自動車利用のためのインフラ整備に向けて、同意書に署名したことを発表した。デンマーク国内で電気自動車の利用を促進するために協業していくという。Project Better Placeはイスラエルとも同様の提携をしており、これで2つ目となる。
Project Better Placeは、独SAPの幹部を務めたShai Agassi氏がシリコンバレーで2007年に立ち上げたベンチャー企業。燃料を石油に依存しない電気自動車の普及に向け、充電ステーションネットワークなどインフラの開発を専門とする。
今回、Project Better PlaceとDONG Energyは、デンマークにおける電気自動車の利用促進、普及に向け、共同でプロジェクトを進め、デンマークの一般消費者が電気自動車を安価に購入し、利用できるよう取り組む。数年以内に、少なくとも、石油燃料ベースの自動車と同じ路面保持性能を提供するとしている。
日産自動車と仏Renaultがマス市場向けの電気自動車を製造し、Project Better PlaceとDONG Energyは、国内に50万カ所以上の充電ステーション、バッテリ交換スポットを用意する。
DONG Energyは風力発電を組み合わせてエネルギーを供給しているが、風力エネルギーは風が強い日と強くない日により価格が大きく異なる。このようなグリッドを構築することで、消費者は風が強くエネルギーが安価なときに充電できるようになるという。これにより電気自動車利用の価格が下がり、最終的には自動車が排出するCO2を削減できると述べている。
デンマークは現在、エネルギーの約20%を風力発電に頼っている。デンマーク政府は、電気自動車購入に対する税面での優遇措置を計画しているという。
2社では、このグリッドの構築を2010年に完了することを見込んでいる。
なお、Project Better Placeは今年1月、イスラエルでも電気自動車普及に向けて日産およびRenaultと同じような提携を発表している。現在、約30の国で話を進めているという。