米YouTubeは3月26日 (現地時間)、ユーザーがアップロードしたビデオの再生動向を解析する無料ツール「YouTube Insight」の提供を開始した。ビデオのライフサイクル、曜日や地域別のアクセスの変化、広告への影響など、ビデオの人気を様々な角度から評価するためのデータを得られる。
YouTube Insightを利用するには、YouTubeにログインした後、「My Account (マイアカウント)」の「Videos, Favorites, Playlists (動画、お気に入り、再生リスト)」から、投稿したビデオの「About this Video (この動画について)」ボタンを押す。現時点では再生回数とポピュラリティについて、投稿してからの変化、地域別または特定期間の動きなどを確認できる。ポピュラリティは、解析条件の範囲で最も再生されているビデオを"100"、もっと少ないビデオを"0"として比較した数値だ。解析条件を絞り込んだ場合、再生回数だけではビデオの人気を判断するのが難しいが、ポピュラリティと組み合わせることで人気を把握できる。
「パートナーはデータを確認することで、視聴者を理解し、より良い対応を行える。広告主はサイト内外のマーケティングで参考になるデータを収集でき、適切なビューワーへのリーチが可能になる。Insightによって、YouTubeは世界最大のフォーカスグループ群になる」とYouTubeのプロダクトマネージャーであるTracy Chan氏。オンラインビデオ共有サイトとして知られるYouTubeが、マーケティング担当者のテストツールとして評価されることを期待している。
YouTubeは2月にビデオ用広告サービス「AdSense for Video」のベータ提供を開始するなど、ビデオ共有にマーケティングプラットフォームを融合させる戦略を推し進めている。その一方でPhotobucketやMetacafeなどYouTube以外のビデオ共有サービスの人気も高まっており、すでにTubeMogulのような複数のビデオ配信ネットワークをまたがった再生動向調査を行うサービスが登場している。YouTube Insightは便利なツールだが、ビデオ配信の分散化が進む中、マーケティング用途でYouTubeのみの再生解析ツールが評価されるかは疑問符がつくところだ。