米Adobe Systemsは3月27日 (現地時間)、Webブラウザ上で動作するオンライン版の画像編集・管理ツール「Photoshop Express」のパブリックベータを開始した。Flexで構築されており、利用するにはインターネット接続とFlash Player 9が必要。Firefox、Internet Explorer、Safariなど主要なWebブラウザに対応する。ベータユーザーは画像の保存や共有用に2GBまでのオンラインストレージを無料で利用できる。

Photoshop Expressは、スナップ写真を手軽に修正し、管理・共有するためのオンラインサービスだ。ブログやSNS、写真共有サービスなどでデジタル画像に興味を持ち始めた人たちを主なターゲットとしている。プロ向け画像編集ソフト「Photoshop CS3」やファミリー向け写真ソフト「Photoshop Elements」を必要としない層へのリーチが目的であり、そのため、これまで画像編集ソフトを使った経験のない人でも、迷わずに狙い通りの画像修正や編集を行えるワンクリック・アプローチが採用されている。例えば露出補正を選ぶと、オリジナル画像の上に補正の度合いが異なる数枚のサムネイルが並び、それらから適当と思われるものをクリックすると画像に反映される。このように全てのレタッチをサンプルやプレビューを見ながら直感的に操作できる。

画像管理「My Photos」

補正後のサンプルを見比べながら露出を調節

編集ツールはベーシック、チューニング、エフェクツの3つに分かれている。ベーシック (クロップ&回転、自動補正、露出、赤目除去、タッチアップ、彩度調整など)だけで、文字通り基本的なレタッチをカバーする。チューニングでは、ホワイトバランス、ハイライト/ フィルライド、シャープネス、ソフトフォーカスなど、より細かな修正が可能。エフェクツにはPhotoshopシリーズならではの高機能でユニークなツールが含まれる。例えばPop Colorを使うと、特定の色だけを選択して違う色に変更できる。木の葉の色を選択すれば、ワンクリックで濃緑の木々を紅葉に変えられる。ほかにも画像をゆがませるDistort、アメリカンコミックのように変えてしまうSketchなどを備える。

レタッチ前の画像

Pop Colorで緑色を選択し、紫色に変更

Sketchでアメコミ風に

Distort

Photoshop Expressのオンラインストレージに保存している画像はアルバムを作成し、オンラインギャラリーやWebサイトへの埋め込みなどで共有できる。またSNSのFacebook、画像/ ビデオ共有のPhotobucket、Googleの画像共有サービスPicasaとの連携機能も用意されている。

オンラインギャラリー「My Gallery」のスライドショー

なお現在利用可能なベータサービスは米国在住者を対象とした英語版のみで、米国外からアクセスすると動作が遅くなる可能性があるという。Adobeでは今後、段階的に対応言語や地域を拡大する計画だとしている。