Webアプリケーション開発に欠かせないFirefoxエクステンションであるFirebugをベースにして開発されたWebページのパフォーマンス計測ツールにYSlowがある。2007年12月上旬にはパフォーマンス分析能力を向上させたYSlow 0.9がリリースされた。紹介にもあるように、手軽に導入できるうえにかなり効果的に分析ができるところに特徴がある。
YSlowの強みとなっているのはYahoo! Exceptional Performanceチームが分析した評価基準をベースにしている点にある。Yahoo!が実際に分析した結果をベースにしているだけあって効果が確実なものとして効いてくるわけだ。
そのYahoo! Exceptional Performanceチームから最新の調査結果およびパフォーマンスブレークスルーのための新しいルールが発表された。既存の14のルールに加えて、新しく20のルールが紹介されている。新しい20のルールはサーバ、コンテンツ、クッキー、JavaScript、CSS、画像、モバイルの7つに分類されている。新しく紹介されたルールは次のとおり。
- バッファは早期にフラッシュする (サーバ)
- AJAXリクエストにGETを使う (サーバ)
- コンポーネントのポストロード (コンテンツ)
- コンテンツのプレロード (コンテンツ)
- DOM要素数の削減 (コンテンツ)
- ドメインをまたがってコンテンツを分離 (コンテンツ)
- iframeの数を最小化 (コンテンツ)
- 404を作ってしまわない (コンテンツ)
- クッキーサイズを最小化 (クッキー)
- コンポーネントに対してクッキーフリードメインを使う (クッキー)
- DOMアクセスを最小化 (JavaScript)
- かしこいイベントハンドラを用意 (JavaScript)
- @importよりもlinkを使う (CSS)
- フィルタの使用は避ける (CSS)
- 画像を最適化 (画像)
- CSS分割を最適化 (画像)
- HTMLにおいて画像をスケールさせない (画像)
- favicon.icoを小さく作成しさらにキャッシュを有効にする (画像)
- 25KB以下にコンポーネントをキープする(モバイル)
- コンポーネントを複数のドキュメントへパックする(モバイル)
ルールの詳細はYahoo! Developer Network blogのYahoo!'s Latest Performance Breakthroughsにおいてスライドの形でまとまっているので参考にされたい。YSlowを使ってすでにすぐれた評価を得ている場合でも、新しい20のルールを適用することでさらにパフォーマンスを向上させられる可能性がある。