24日(米国時間)、Mercurialの最新版となるMercurial 1.0が公開された。待望の1.0登場だ。次期バージョン管理システムを模索している場合、まず検討対象に加えておきたいプロダクトだ。

ソースコードの集約やバージョン管理を実施するためのシステムとしては、典型的にはCVSが有名。現在でも多くのプロジェクトでCVSが採用されている。しかしながらCVSは既存のバージョン管理システムを拡張してきたシステムであり、UNIXの仕組みに依存していることや名前の変更が面倒などいくつかの点で操作に不便な点があった。同点を解消する目的でいくつものバージョン管理システムが開発されたわけだが、そのうちのひとつがMercurialというわけだ。

バージョン管理システムの代替としてはFLOSSならSubversionやGitが有名だ。すでに多くのプロジェクトでSubversionやGitが採用されている。商用も含めればさらに多くの選択肢がある。CVSとの類似性が多いことからCVSの代替としてはSubversionが選択されることが多いが、CVSと同様のモデルを真似したためにそれを嫌う向きもある。

MercurialはCVSとよく似た操作性を提供しつつも、高速に動作しディスク消費が少なく、名前の変更のほかさまざまな機能を提供している。2006年5月、カナダのオタワで開催されたBSDCan 2006ではOllivier Robert氏がバージョン管理システムの調査結果を発表し、さまざまな候補の中からCVSの代替としてはMercurialが優れているのではないかと意見を述べている。

1.0のリリースまで長い時間がかかったが、1.0が発表されたことに注目したい。このタイミングでバージョン管理システムのアプリケーションとしてMercurialを調査するというのは悪くない。特に現在CVSやSubversionを採用し、操作性や動作速度、ディスク消費量などに不満を感じている場合にはMercurialを検討してみてほしい。