日本IBMは26日、日本航空インターナショナルの航空券予約・発券システムをSystem zに更新すると発表した。新システムの稼動は2008年度から順次行われ、2010年2月に全面稼動が予定されている。

IBMのメインフレーム「System z9」

採用されたのは、IBMのメインフレーム「IBM System z9」とOS「IBM z/Transaction Processing Facility Enterprise Edition(z/TPF)V1.1」の組み合わせ。この事例は、z/TPF V1.1の採用第1例となる。

z/TPF V1.1の前身である「Transaction Processing Facility(TPF)」は最大で1秒間に数万件のトランザクション処理が可能なことから、世界の航空業界や金融業界での採用例も多い。最新版であるz/TPF V1.1では、64ビット化によるシステム応答の迅速さ向上が実現されている。また、開発環境がLinuxに対応したことで、オープン系での開発スキルを活かすことができるのも特徴だ。

この更新は、日本航空が航空業界における競争力の強化と収益力の強化を目指して取り組む「2008-2010年度JALグループ再生中期プラン」の一貫として行われる。従来システムに比べて約25%の処理能力向上を実現。また、プロセッサ単位ではなく使用する処理性能(MSU)に対して課金される「ワークロード・ライセンス・チャージ(WLC)」を適用することでシステムコストの最適化も図り、1トランザクションあたりのTCO削減を見込んでいる。