沖電気工業(OKI)は25日、音声再生の速度と音程をそれぞれ調整することが可能な音声LSI「ML2272Xシリーズ」を開発、サンプル出荷を開始したことを発表した。2008年6月からの量産出荷を予定している。

同シリーズはメモリサイズの違いにより16Mビット品「ML22725」、8Mビット品「ML22724」、4Mビット品「ML22723」の3種類をラインナップ。また、再生速度や音程変換機能の代わりに、2つの音や音声を同時に再生することができる機能を搭載した「ML2282Xシリーズ」を互換品として用意している。

音声の再生速度は0.5~2倍の範囲で、音程は-20%~+20%の範囲でそれぞれを独立して設定することが可能。音程を一定に保ちながら再生速度を早くしたり遅くしたりすることができるため、高齢者向け商品の他、語学学習機や教育玩具、緊急度や危険度にあわせガイダンスの速度や音程を調整する緊急警報装置などの用途に利用が可能だ。

また、16ビットD/Aコンバータの採用やデジタルフィルタの改善により高い音質を実現しているほか、スピーカーアンプを内蔵したことにより、ノイズ混入の可能性のあるアンプ周りのアナログ設計を不要とし、音質を確保している。