Canonicalは英国時間の21日、Linuxディストリビューション「Ubuntu 8.04」(コード名Hardy Heron) のβ第1版をリリースした。対応プラットフォームはIntel x86とAMD64、再配布用のインストールイメージとして「Desktop CD」と「Server install CD」の2種類が提供される。
Ubuntu 8.04は、2年に一度のLTS (長期サポート) 版となる節目のバージョン。今回のβリリースでは、バージョン2.6.24のLinuxカーネルを採用、Linuxカーネル標準の仮想化機能「KVM」をサポートしたことにより、Intel VTおよびAMD-V対応CPU使用時における高速な仮想化処理を実現した。デスクトップ環境にX.org 7.3およびGnome 2.22を使用したほか、デフォルトのWebブラウザにFirefox 3.0 β4を選択するなど、最新のオープンソースソフトウェア開発動向を反映している。WindowsとUbuntuのデュアルブート環境を構築するユーティリティ「Wubi」も提供され、導入の難易度引き下げを図っている。
Ubuntu 8.04 β1のリリースに先立ち、CanonicalはUbuntuにおけるSPARCプロセッサのサポート終了方針を発表している。β1以降のサポートプラットフォームはIntel x86とAMD64のみとなり、今後SPARC版は公式にはリリースされない。ただし、ビルド環境は維持され、従来のリリースに対するアップデートの提供は今後も続けられる。