米Novellは17日 (米国時間)、企業向けLinuxディストリビューションの次期バージョン「SUSE Linux Enterprise (SLES) 11」の概要を発表した。製品のリリースは、2008年後半が予定されている。
SLES 11では、ミッションクリティカルなデータセンターとしての機能を強化。ハードウェア障害の自動検出機能や、クラスター管理用の新しいインターフェイスの投入が計画されている。
仮想化関連機能では、Xenの最新版 (現時点ではv3.3) が収録される予定。クロスプラットフォームの仮想化がサポートされることにより、LinuxやWindows、NetWareサーバの統合が容易になるという。Novell ZENworksとPlateSpinの技術を利用した、新しい仮想アプライアンス構築ツールも提供されるとのこと。
Microsoft .NET互換の開発フレームワークMonoの次期バージョン、「Mono 2.0」も収録される予定。Mono 2.0はMS .NET 3.5 / 2.0プロファイルをサポート、Linuxプラットフォーム上で.NETアプリケーションの利用および開発を可能にする。既存の.NETアプリケーションをLinuxに移行できるかどうか判定する、移行分析ツールも収録される。
環境に配慮した情報通信技術「Green IT」も推進。Linuxカーネルv2.6.21で実装された、CPUを従来より長い時間アイドル状態にしておく「Tickless Idle」などの省電力機能がサポートされる。NUMAやIntel VMDqといった、仮想化環境を効率的に運用するための機能も強化される。