DoubleClick買収を完了させた米Googleが米国時間の3月13日、Webパブリッシャー向けの無料広告管理ツール「Google Ad Manager」のベータ提供を発表した。

DoubleClick買収によってGoogleは広告配信サービスを取り込んだ広告ソリューションを実現できる。それをGoogleならでは利用体験にまとめ上げるのが大きな課題となる。その第一歩として「全ての規模のWebパブリッシャーに生産性や在庫管理の向上、ビジネス機会の創出をもたらす、製品およびツールの統合スイートの構築に焦点を当てた」とシニアプロダクトマネージャーのRohit Dhawan氏。ベータ提供が始まったGoogle Ad Managerは、直販および広告ネットワークを対象に広告在庫を一括管理するためのホスティング形式のソリューションだ。中小規模のセールスグループを持つWebパブリッシャーをターゲットとしており、より大規模なセールスグループを対象とするDoubleClickの「DoubleClick Revenue Center」を補足する存在となる。

Ad Managerでは、他のGoogleサービス同様のシンプルな操作性で広告在庫の詳細な定義や広告タグの生成を行えるほか、正確な広告在庫予測とトラッキング、柔軟にデータを整理できるパフォーマンスレポートなどのツールが揃っている。従来まで直販を行うパブリッシャーは複雑なワークフローと広告在庫の管理に悩まされてきたが、Google Ad Managerを利用することで広告スペースを最も収益率の高いソースからの広告で確実に埋められるという。「広告管理に割く時間を削減でき、それぞれの広告主との関係強化により多くの時間を費やせる」としている。リッチメディアに対応、空いた広告スペースにAdSenseを利用できるなど柔軟なソリューションであるのも特徴の1つ。広告ネットワークがAdSenseに制限されることはなく、他の広告ネットワークも利用できる。またAd Managerと共に他の広告管理製品やサービスを利用することも可能だ。

Ad Manager提供は現在、招待制のクローズドベータ・プログラムとなっている。同プログラムに参加しているReviewed.com CEOのRobin Liss氏は「最も大きなインパクトは効率性の向上だ。Ad Managerのインターフェイスは使いやすく、広告掲載の注文を受けたセールスチームの面々が自らデータを入れたがるほどだ」とコメントしている。