グーグルは13日、自由にガジェットを選んでオリジナルのホームページを作ることができる「iGoogle」とアーティストとの協力プロジェクト「アーティストiGoogle」を世界に先駆けて日本で先行開始した。リリー・フランキー氏や日比野克彦氏らが制作した背景画像やガジェットをiGoogleに使うことができる。

「アーティストiGoogle」のトップページ画面

iGoogleは2005年に米国でサービスが開始され、日本では2006年秋に開始。Googleの検索ボックスを中心に、メールやニュース、乗り換え案内などのさまざまな機能が付いたオリジナルページを自由に作ることが可能となっており、世界の70カ国、42言語で使われている。

「アーティストiGoogle」プロジェクトは、「INTERNET MEETS ART」というコンセプトの下、「Googleのポータルページ画面の白い部分をキャンバスとし、アーティストが自由に表現する」(同社)と同時に、その作品群を「ユーザーが自らの感性で自由に選んでもらうことができる」(同)ことが特徴となっている。

日比野克彦氏のガジェットなど紹介画面

リリー・フランキー氏のガジェットなど紹介画面

具体的には、アーティストが制作した背景画像やカレンダー、時計などのガジェットを、ユーザーが自分のiGoogleページに採用することが可能となり、「iGoogleの世界をより楽しく素晴らしいものとして広げていくことができる」(村上憲郎社長)としている。

日比野克彦氏

世界に先駆けて日本で開始された同プロジェクトには、リリー・フランキー氏、日比野克彦氏、隈研吾氏ら9組の著名なアーティストが参加。故手塚治虫の作品である鉄腕アトムも参加している。

リリー・フランキー氏は、「日常の中の、ささやかで、さまざまな風景」をテーマとした背景画像や「ペロ時計」などのガジェットを制作。日比野氏は「BEYOND」というテーマで、日めくりカレンダー「BEYOND CALENDAR」、置時計「BEYOND CLOCK」などの作品を提供している。隈氏は、歌川(安藤)広重の浮世絵を展示する広重美術館をテーマとした作品を制作した。

プロジェクトのプレゼンテーション後に行われたトークショーでは、日比野氏、リリー・フランキー氏、隈氏、イラストレーターユニットの山根Yuriko茂樹氏らが参加。日比野氏は「Googleのサービスは見えないものをつなげていくという特徴があるが、今回の作品も見えないものをイメージするという意味を込めて作品テーマの名前をBEYONDという名称にした」と説明。ひめくりカレンダーのガジェットについては、「カレンダーの日付が変わる深夜0時に音がするようになっているので楽しんでほしい」と述べた。

リリー・フランキー氏は「インターネットも毎日触れるもので、そうしたイメージを作品にした。自分もネットの1ユーザーだが、訪問先の会社で自分のガジェットを使っている人を見たら、その人を好きになりそう」と笑わせていた。

同プロジェクトでは、14日に京都府・京都市の東山花灯路イベント内でアート展示、4月12日~24日に東京都の六本木ヒルズで「iGoogle Art Cafe」などを行っていく。