Googleは2月25日(米国時間)、2007年に引き続き今年もGoogle Summer of Code 2008を開催すると発表した。GoogleはSummer of Codeを通じてFLOSSプロジェクトの活発化と学生へプロジェクト参加の機会を与えている。出資はGoogleがおこない、プロジェクトが成功すれば学生とプロジェクトに資金が進呈される。GoogleはFLOSSの発展そのものが同社に有利に働くため、結果的に学生、学生を支援するプロジェクト、Googleの3者両得の関係になっているところがポイントだ。
2005年から毎年開催されている同プロジェクトだが、日本からの参加はメンターおよび学生の双方を合わせてもほとんどいないというのが現状だ。Google Summer of Codeは当然ながらすべてのやりとりが英語でおこなわれる。英語が扱えるメンターで学生の面倒を見る時間と技量があり、そして当然ながら英語が使えるプログラミングが達者なやる気のある学生がいて、さらにGoogle Summer of Codeに興味がある、ということになるとほんとわずかな候補しか残らないわけだ。参加者が少ないという点では韓国や台湾も状況は変わらないようだ。
言語の壁は当然あるし、学習期間の違いもある。加えて文化の違いが大きい。言うなればGoogle Summer of Codeのようなやり方は、日本人の気質や文化にあったやり方ではないというわけだ。こうした状況を受けて、SoCやFLOSSで欧米と同じ舞台で活躍すべく日本でのやり方を変えるか、逆に日本は日本独自の得意な面を伸ばしていくのか、どちらで取り組んでいくべきかは議論の余地があるわけだが、SoCの参加がほとんどないというのはちょっと寂しい。
支援になるかどうかわからないが、グーグルはGoogle Summer of Code 2008 開催において日本語でやりとりするためのディスカッションチャンネルを用意したことを述べている。SoCの真意としては自主性が肝であるため、あまり後押しをしても長期の視点にたったときあまり意味がないわけだが、グーグルから日本語での支援をおこなうことは最初の一歩としては効果的といえるかもしれない。