ブログウォッチャーは11日、行動ターゲティング型情報配信プラットフォーム「プロファイルパスポート」の実験を開始。同日、サービスについての発表会を行った。同サービスは、ユーザーがブログ等で発信する情報と行動履歴を関連づけて蓄積・解析することで嗜好を分析し、ユーザー個々を対象にした情報配信の実現を目的としたもの。

プロファイルパスポートサービスとは

はじめに、ブログウォッチャー代表取締役の羽野氏より、サービスの全体像について発表が行われた。

ブログウォッチャー代表取締役 羽野仁彦氏

同社では、増加を続ける消費者発信情報(Consumer Generated Media=CGM)を分析することで、消費者側への情報配信に活用できるのではないかという考えのもと、実証モデルサービスとしての「プロファイルパスポート」開発を行ってきた。

同社は経済産業省の「情報大航海プロジェクト」において、プライバシーに配慮した未来型サービスの開発実証企業に採用されている。同サービスは、情報量が爆発的に増加する中でユーザーが発信する様々な情報を安全に収集・蓄積し、それを元に個々のユーザーに適した情報を提供するという新しい情報配信サービスの実現を目指すという位置づけにある。

ECサイトなどでは、自社の履歴だけではリコメンドできるものに限界があると感じている

プロファイルパスポートサービスの全体図

今回の実証実験は、同社が開発したSNS「Shooti Town(シューティタウン)」とオンラインゲーム「Game0.1a wyrd(ウィルド)」を使って行われる。具体的には、Shooti Townの日記やレビューに投稿された内容やカレンダーに記入した予定などからユーザーの行動・嗜好性を解析し、ゲーム内でユーザーの好みにあったクーポン情報、広告を配信するという形になる。

ユーザーの情報は不可逆暗号化しIDにひもづけて蓄積。個は特定するが個人情報は持たない形になる

実証モデルサービスの全体図。SNSやゲームから得られる行動履歴を一元的にデータベースに蓄積する

PC、携帯電話のほかゲーム機(Wii対応)、PDAなどマルチデバイスでのアクセスを意識して開発が行われている

ユーザーの行動に合わせて、ゲーム内の獲得アイテムとしてクーポン情報が提供される

ゲームはFlash+XMLで構築されており、技術的にはSNSインタフェースのリッチ化等へも応用が可能

説明の後、実際にSNSとゲーム画面を使用したデモが行われた。

ゲーム内のアンケートや、キャラクターとの会話から得た情報もプロファイリングに利用している

SNSでのレビュー投稿画面。ゲーム機からも操作しやすいよう工夫されている

SNSへのレビューの投稿やクーポンの利用によってゲーム内の街に店が増えるなど、ユーザーの行動が反映される。写真はレストランのレビュー投稿によりステージにレストランができるというデモ(画面上部の空き地にできた白い建物)

SNSのメイン画面。左上ではゲーム内のキャラクターが歩いている