情報サイトの開発・運営を行っているソフトバンク・ヒューマンキャピタルはこのほど、「インターネットと政治に関する意識調査」の結果を発表した。同調査によると、インターネットをもっと政治に活用するべきだと考える人が8割を超え、インターネットの活用が今後政治に影響を与えていくと思う人も約9割近くに達することが分かった。
同調査は、インターネット業界に勤務する20~30代の男女400人に対して実施。「インターネットの活用が政治に影響を与えていくと思いますか」という設問には、「活用するべきだ」と答えた人が45.5%、「どちらかといえば活用するべきだ」が37.3%を占め、双方を併せると、8割を超える人たちが今後政治にインターネットを活用していくべきだと考えていることが分かった。
また、79.0%が「インターネットが選挙に活用されることで選挙に対する意識が高まる」、87.5%が「インターネットの活用が政治に影響を与えていく」と答えるなど、インターネットが今後、有権者の意識や政治環境に大きく影響すると考える人が大半を占めることもわかった。
さらに、「インターネットを通じて政治に関する情報(政治・選挙ニュースを含む)を得ていますか」という設問では、「得ている」と回答した人が78%に上った。情報源はニュースサイト、ポータルサイトが多く、政党や政治家のホームページは10%台と低い水準となっており、これらのホームページが情報源として十分に活用されていないことが分かった。
この調査結果を考慮すると、現状のままでは、インターネットでの選挙活動が解禁されたとしても、政党・政治家のホームページがネット上の活動基盤になるのは難しいのかもしれない。一方、情報収集に政治家でない個人のブログを利用するという回答は2割近くあり、政治においてもネットのクチコミ力が大きな役割を果たす可能性が見受けられる。
現在、日本でも大きな報道がなされている米大統領選においても、選挙活動にインターネットが積極的に利用されていることが伝えられている。特に、オバマ氏がネット上で小口の寄付を募ることでほとんどの活動資金をまかなっていることは、これまでにない現象として注目されている。
また、オバマ氏自身がSNSなどを通じて若い世代からの支持を得ていることに加え、支持者が自主的に後援目的のブログを立ち上げるなど、ネットを活用した活動が周囲に広がっているという。
日本でも、インターネットを利用した選挙運動について、政治家の側でも公職選挙法の見直しが進められている。政治や選挙活動について、有権者側も政治家側もインターネットが活用されることを希望しながら、法律だけがそれを許可していないという現状が浮き彫りになった形だ。