クリアスウィフトは5日、Web 2.0ツールを含むインターネット利用ポリシーの策定と監視、違反時の懲戒についての調査を結果を発表した。

この調査は、今年(2008年)2月19~22日の間、国内の人事担当者103名に対してインターネットを通じて実施した。その結果、「インターネット利用ポリシーを作成している部門」という設問に対し、一番多かった回答は「IT部門」で、全体の33%を占めた。同様に「従業員のインターネットの管理部門」という設問に対する回答もトップは「IT部門」で52%と過半数を超えた。

同調査は昨年10月に英国と米国でも実施されている。「セキュリティポリシーの策定に関して、人事部門者が関与している割合」は、米国が60%、英国が44%、日本が20%。「実際の監視において、人事担当者が関与している割合」は米国が19%、英国が21%、日本が20%だった。米国、英国の2カ国に比べて日本は、インターネット利用上のセキュリティポリシーの策定、監視、違反時の懲戒のいずれの段階においても、日本企業では人事担当者でなく、IT管理者に依存していることが分かる。

また、インターネット使用ポリシーに対する従業員の違反行為の判断について、「IT門から人事部門へ違反状況を通知する」と答えた日本企業は33%。「人事部門が従業員のインターネット利用を監視し、違反であるか判断する」、「人事部門はシステム上で自動的に違反状況を知ることができ、人事部門が違反であるかを判断する」と答えた企業は、それぞれわずか6%に留まり、Webや電子メールといった情報技術利用にまつわる従業員の規範管理には、人事部門ではなくIT部門に頼らざるを得ない実態が浮き彫りとなった。

また、ミクシィなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)へのアクセスを禁止している日本企業は76%。20%の人事担当者が従業員の「アダルトサイトへのアクセス」の現場に遭遇、またはその行為に関して従業員を懲戒した経験があると答えている。以下、「インターネットでの時間浪費」(15%)、「機密情報の漏えい」(16%)、「ブログやWikiへの不適切な書き込み」(11%) が続いた。

しかしその一方で、こうした行為を監視するポリシーを実際に持っている日本企業はわずか32%で、Web2.0技術(YouTube、ミクシィ、ウィキペディアなど)について「よく知らない」「聞いたことがない」と回答した人事担当者の割合は、合わせて39%にものぼった。これは英国の20%、米国の25%に比べ、日本企業の人事担当者のIT精通度の低さが伺える結果となった。

今回の調査結果に対して、クリアスウィフトのマーケティング担当副社長であるStephen Millard氏は「人事部門が新しい技術を効果的に運用し、これらの技術がビジネスに与える影響を理解するためには、おそらく会社が人事部門に対してさらにトレーニングやサポートを実施する必要がある」とコメントしている。