業務アプリケーション大手の独SAPは4日(現地時間)、ドイツ・ハノーバーで開催中の「CeBIT 2008」で、米Intelとの提携拡大を発表した。SAPの中規模企業向けソリューション「SAP Business All-in-One」を事前設定したIntelベースのサーバパッケージを提供するという。容易な実装/設定と低コストを特徴とし、中規模企業にアピールする。
このパッケージでは、Business All-in-Oneを事前設定した「Intel Xeon」搭載モジュールサーバを提供する。OSには、米Novellの「Novell SUSE Linux Enterprise」を採用し、データベースとしてSAPの「SAP MaxDB」をセットにする。各コンポーネントを中規模企業向けに最適化し、すぐに利用できるアプライアンスのような形で提供するため、企業は実装や設定にかかる時間を短縮し、TCO(総所有コスト)を削減できるという。
Business All-in-OneはSAPの中規模企業向けERPソリューションで、業種に特化した機能を利用できる。今回のパッケージは製造、サービス、貿易の3業種をターゲットとしたもので、業種向けの機能をすぐに利用できるうえ、拡張性もあるという。
SAPによると、同社のERPを実装している中規模企業の70%がLinuxベースで、そのうちの35%以上がSAP MaxDBと組み合わせて導入しているという。
SAPはCeBIT 2008で設けている自社ブースでこのパッケージのプロトタイプを展示、NEC製のサーバーで動かしているという。
中規模企業市場は、同社のライバルである米Oracle、米Microsoftだけではなく、米Salesforce.comなどオンデマンドベンダとも競合する重要な市場となる。
SAPでは今後、Intel以外のハードウェアベンダとも同様の提携をする意向だ。
SAPとIntelはこれまで、SAPのBIツール「SAP NetWeaver Business Intelligence Accelerator」でも協業している。
このモジュラーサーバはまず、欧州市場で提供される。SAPは価格を明らかにしていない。