フィンランドのNokiaは4日(現地時間)、同社携帯電話のS60、Series 40、インターネットタブレットらの製品にMicrosoftのSilverlightを搭載する計画だと発表した。同社によれば、米Microsoftが3月5日(米国時間)に米ネバダ州ラスベガスで開催するWeb技術カンファレンス「MIX 08」において、Silverlightを搭載したS60のデモストレーションを行う予定だという。
Silverlightは、MicrosoftがAdobeのFlash対抗として発表した技術。通常のHTMLやJavaScriptといった技術と比較して、よりインタラクティブでリッチなアプリケーションを構築することができる、いわゆるRIA(Rich Internet Application)実行環境の代表的なものの1つとなる。Flashと同様に、WindowsやMac OS Xなどのマルチプラットフォーム環境での動作に対応し、1つの実行コードで複数のプラットフォームをカバーできるメリットがある。またSilverlightならではの特徴として、実行コードが非常に軽快で高速動作する点が挙げられる。9月のSilverlight 1.0正式リリースが発表されて以来、NBAやNBCの公式サイトでコンテンツ配信の標準技術として採用されたほか、日本ではGyaoがMac OSサポートの一環としてSilverlightの採用を表明している。Microsoftによれば、2008年末までには次期バージョンのSilverlight 2をリリースする予定だという。
Nokiaによれば、SilverlightはまずS60のプラットフォーム上で採用され、後にSeries 40とインターネットタブレットへと順に展開されることになるという。S60はSymbian OSを採用した同社のスマートフォン端末の1つで、今回採用を表明したSilverlightのほか、Webブラウザ上でのAjax、Java、Flash Lite、Pythonなどのアプリケーションの実行が可能。今回のSilverlight採用を通して、同社では開発コミュニティ向けのRIA技術の選択肢を増やすことが狙いにあるという。