総務省は27日、ネット上の違法・有害情報への対応を検討する会合を開き、未成年者が携帯電話を使う際の原則加入を同省が要請したフィルタリングサービスのあり方について議論を行った。携帯キャリアが認めたサイトしか閲覧できない「ホワイトリスト方式」への批判も出て、見直しへ一歩前進した形となった。

携帯フィルタリングサービスについては、ホワイトリスト方式と、有害と認めたサイトのみ閲覧できなくする「ブラックリスト方式」がある。Webサイトの数が膨大であることを考えると、ホワイトリスト方式のほうが閲覧できなくなるサイトの数が必然的に多くなる。また、同方式を採用すると、SNSやブログ、掲示板なども閲覧できなくなる弊害が指摘されている

総務省の会合では、楽天 渉外室室長の関聡司氏が「ホワイトリスト方式はやめてほしい」と訴えた。また、慶應義塾大学 デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構 准教授の菊池尚人氏は、Webサイトが有害かどうかの基準を作る第三者機関の必要性について意見を述べた。

菊池氏によると、第三者機関は行政、コンテンツ事業者、通信事業から独立してWebサイトの評価を行い、同機関によって策定された評価基準は、フィルタリングメーカーなどの利用を見込むという。フィルタリングメーカーや携帯キャリアがこうした基準を使えば、基準に合わない有害サイトだけを排除するブラックリスト方式が適用しやすくなる。

総務省では、「こうした議論を踏まえ、違法・有害情報への対応策の骨子を、4月中にもとりまとめたい」しており、今後携帯フィルタリングに関する見直し策が実施される可能性が強くなっている。