Google傘下のGrandCentralがホームレス支援で米サンフランシスコ市に協力する。米国時間の2月27日にGavin Newsomサンフランシスコ市長が、GrandCentralのProject CAREを通じて同市のすべてのホームレスに電話番号とボイスメール・アカウントを提供する計画を発表する。
米サンフランシスコ市は「Project Homeless Connect (PHC)」というプロジェクトを通じてホームレスを支援している。同プロジェクトにおいてホームレスの生活安定や社会復帰を実現する上で課題の1つとなっているのが、安定してコンタクトできる連絡先だ。電子メールは場所を問わずアクセスでき、無料のWebメールサービスを使えば所有コストもかからない。だが、パソコンやネット端末などが必要になるため、ホームレスが利用できる場所が限られる。そのような問題に対するソリューションをGrandCentralは提供できる。同社のサービスはWebベースの電話管理だ。基本サービスの利用は無料。契約すると電話番号が1つ割り当てられる。ユーザーは自分のアカウントのWebページで、その番号に自宅の電話や携帯電話などをリンクさせる。そして友人や仕事関係者などにはGrandCentralの番号を伝える。電話がかかってくると、リンクさせている電話が一斉に鳴るという仕組みだ。ボイスメールサービスもあり、電話または自分のアカウントのWebページを通じて、残されたメッセージを確認・再生できる。引っ越したり、携帯電話を変えたりしても変わらず使える「生涯1つの電話番号(GrandCentral番号)」が売りのサービスだ。ホームレスの人たちもGrandCentralを利用すれば、生活環境が変わっても常に同じ電話番号でコンタクトしてもらうことが可能で、たとえ電話を所有していない状態でも、あらゆる電話やパソコンから自分のボイスメール・アカウントにアクセスできる。
GrandCentralは2006年4月からホームレスや電話を持たない人たちを支援するプログラムとしてProject CAREを開始した。サンフランシスコ市のPHCに協力するにあたってProject CAREは同市のシェルターを訪問し、スタッフのトレーニングやサポートを行うという。