The Web Standards Project |
A List Apartにおいて1月22日(米国時間)、Beyond DOCTYPE: Web Standards, Forward Compatibility, and IE8という記事が公開された。これはIE8で標準に準拠したレンダリングを実施するには、meta要素やHTTPヘッダでX-UA-CompatibleにIE=8に指定する必要があると説明したものだ。標準規約への準拠とIE7への互換性確保という2つの目的を両立させるための方法だが、その反応はさまざまだ。
IE7ではデフォルトレンダリングが変更された。完全に標準準拠とはいかないが、標準準拠へ向けた舵を切ったわけだ。しかしこの結果、IE6で表示調整されたサイトがIE7では崩れるという問題が発生。IE8で同じことをすれば、IE7で表示されるように調整されたサイトがIE8で崩れるといった事態が発生しかねないというわけだ。そこで明示的に指定をしない限り、IE7のレンダリングが使われるようにしようと考える。それなりに妥当な発想といえる。
しかしこうした方針は、標準準拠を蔑ろにしたものであり、後退を意味するととる向きもある。未来永劫、IEではIE7のレンダリングがデフォルトでありつづけるということになれば、標準を軽視する振る舞いとみられてもしかたがないといえないこともない。デフォルトでの動作を標準に準拠させるべきであり、IE8でもデフォルト動作は標準に準拠するべきだというわけだ。
同点に関してThe Web Standards Projectにおいて24日(米国時間)に掲載されたWaSP Round Table: IE8’s Default Version Targeting Behaviorで興味深い報告がなされている。Web Standards ProjectのメンバーであるFaruk Ateş氏、Porter Glendinning氏、Aaron Gustafson氏の3名は同月16日(米国時間)、MS IE, Platform Architect, Chris Wilson氏とIEのデフォルトバージョンターゲッティングの挙動について議論を持ったとしており、その結果が報告されている。
同報告では、IE8ベータを標準準拠モードで出荷してどれほどのサイトに影響がでるか調査する、IE8をスタンドアロンアプリケーションとして出荷しIE7と両方使えるようにする、IE7を自動的にターゲットとするようなIISパッチを提供することでIE8による影響を避けるようにする、といったアイディアが出ている。IE8のベータ版は間もなく公開される。この報告からみてとれるように、ユーザの働きかけでIE8のデフォルトの振る舞いは変更される可能性が残っているようだ。