NTTデータは25日、自宅で勤務する「テレワーク」の本格運用を開始したと発表した。
今回の取り組みは、同社のグループビジョン「Global IT Innovator」の実現に向け、IT業界のリーダーとして、生産性とワークスタイルを革新し、働く人のより豊かな自己実現を支援する、同社が掲げる「ワークスタイル・イノベーション」宣言の取り組みの一環として行われる。社員自ら仕事のやり方を改善し、働きやすい環境へ変革する取り組みを積極的に推進するのが狙いだ。
同社におけるテレワーク制度は、同社社員有志による検討プロジェクトの提案が採用され、2006年7月からすべての組織を対象に既にトライアルとして実施。トライアルでは、延べ170名程度の社員が、所属組織ごとにすべての社員、または育児/介護との両立支援が必要な社員に限定して行われ、原則月5回を限度に自宅での勤務を行った。その結果、事後のアンケートからは、「通勤に関する負担が少ない」「家族とのコミュニケーションがとりやすい」「仕事の生産性、効率性が向上する」といった効果が確認できたという。また、「アウトプットについて上司との事前確認を入念に行うようになり、手戻りが減った」「仕事の"見える化"につながった」という肯定的な声も多数寄せられた。
同社のテレワーク制度の本格運用にあたっては、同社のグループビジョンのひとつである「ワークスタイル・イノベーション」宣言の達成に向け、テレワークによって、すべての社員が仕事と個人の生活のバランスをとりながら生きがいをもって働ける環境を作ることが目的。管理者、男性社員を含む全社員が対象で、上司の承認が得られた場合に、原則月8回を限度に自宅での勤務が行える。ただし、紙媒体の使用は禁止され、会社貸与のPCによるシンクライアント環境でのテレワークに限定し、自宅に情報をいっさい残さないなど、特にセキュリティに対する配慮を最大限に行い、運用ルールが徹底されているという。
同制度の運用中は、トライアルの参加者、および上司、同僚からの改善の要望について検証しながら適宜、見直しを行い、社員の間に広く浸透し、実行される"生きた制度"を目標にする。また今後は、育児や介護との両立支援を必要とする社員に限らず、すべての社員の豊かな自己実現に向けて利用を拡大し、ワークスタイルイノベーションに資する取り組みを目指していく。