マイクロソフトは20日、プレス向けラウンドテーブルを開催し、Windows Server 2008およびSQL Server 2008の概要、利点などを説明した。
まず、サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 シニアマネージャ吉川顕太郎氏が国内のサーバ市場について解説。その中で同氏は、「国内にはインストールベースで170万台弱のWindows Serverがある。そのうち、一部Windows Server 2003ユーザーを含む、NT、2000の70万台がわれわれのターゲットだ」と述べ、Windows NTおよびWindows 2000 Serverユーザーのリプレースを中心にWindows Server 2008を販売したいとの考えを語った。また、OSの64ビット化について、「32ビット版を販売するのは、今回が最後になる。ハードウェア、OSのほとんどは64ビットへの対応を終えた。これからはアプリが対応するフェーズに入る」(同氏)と述べ、2年後を目途にリリースする予定のWindows Server 2008 R2では64ビット版のみの提供になるとする、従来からの方針に変わりがないことを表明した。
サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 シニアマネージャ |
続いて吉川氏は、すでに開発が完了しているWindows Server 2008の製品概要を説明。まず、スケジュールについては、ボリュームライセンスユーザーには3月1日から製品を提供。パッケージ製品については、日本語市場向け製品発表が行われる4月15日前後に販売を開始したいとした。
とくにアピールしたい新機能として、
- サーバの仮想化(Hyper-V)
- ターミナルサービスの機能強化
- ネットワークアクセス保護(NAP)
- IIS7.0
- WAN回線越しの通信およびファイル共有のパフォーマンスの向上
を挙げ、もっとも注目されているHyper-Vについて「仮想だけでなく、物理も意識せずに管理できるのが弊社の強み。日本では、世間で騒がれているほど仮想化の導入は進んでいない。仮想化の導入には高いスキルが必要で、サポート体制を充実させパートナーに安心して販売してもらえる環境を構築したところが最後に勝つ」と述べ、VMwareなどに先行されている仮想化市場の巻き返しに自信を見せた。
なお、Hyper-Vについては3月から提供されるWindows Server 2008の製品にはベータ版を搭載。その後、Windows Server 2008の完成から180日以内に製品版がリリースされる予定。また、Hyper-Vに特化したMicrosoft Hyper-V Serverも提供される予定。
一方、SQL Server 2008の新機能として、アプリケーションプラットフォーム製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャ 斎藤泰行氏は、
- アプリケーションの変更なしに行えるデータの暗号化
- 命名規則などのポリシーベースの管理
- データ操作の監査
- CPUやメモリなどのリソース制限をアプリごと、ユーザーごとに行えるリソースガバナ
- パフォーマンス状況をグラフィカルに監視するパフォーマンスデータコレクション
- データ圧縮、バックアップ圧縮
- Virtual Earthと統合できるSpatial(地理、空間)データのサポート
などを解説。今後のスケジュールについては、20日に日本語CTP2月版を提供。これには、SQL Server 2008の100近い新機能のほとんどが搭載されるという。その後、カレンダベースの第2四半期にRC版、第3四半期にRTM版を完成させるとしている。
アプリケーションプラットフォーム製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャ |