米Adobe Systemsは2月19日 (現地時間)、マルチメディアオーサリング・ツールの最新版「Director 11」を発表した。SWF (Flashムービー)やDVD-Videoを含む40種以上のビデオ/ オーディオ/ イメージ形式をサポートする。「Director 11とAdobe Shockwave Playerの組み合わせにより、ユーザーは一度のオーサリングでコンテンツをWeb、CD/ DVD、デスクトップなどにパブリッシングできる」(Adobe)。開発者だけではなく、エントリーレベルのマルチメディア・オーサリングも視野に入れた製品だという。対応OSは、Windows Vista/ XP SP2以降、Mac OS X v10.4 (Intel CPUベースのMacのみ)。米国での発売は2008年3月末。価格は999ドル、アップグレード版が299ドルとなっている。6月までに日本語、フランス語、ドイツ語などのローカライズ版の提供を開始するという。
Director 11はAGEIAの物理演算用「PhysX」エンジンを搭載し、物理的にリアルな動きやインタラクションをゲームに取り入れたりシミュレートできる。またDirectX 9による3Dレンダリングをサポートする。テキストエンジンの強化で従来よりもスムースなテキスト表示が可能になったほか、ビットマップ・フィルターを用いて、ブラー、ドロップシャドウ、ベベル、グロウなどリッチな視覚効果を追加できる。
Photoshop、Flash、Creative Suite 3など、Adobe製品との連携強化も特徴の1つ。例えばFlash CS3 Professionalと組み合わせることで、ビデオを用いたマルチメディア開発の幅が広がる。ActionScript 2.0を含むFlash CS3 Professionalで作成したコンテンツをDirectorにインポートし、Director内でFlashを起動して変更・保存が可能だ。
スクリプティング言語はJavaScriptとDirectorネイティブのLingoをサポートする。また新たにUnicodeサポートが追加され、ゲームやアプリケーション、デモ、プロトタイプなどを従来よりも容易にローカライズできるようになった。