日本ビジネスオブジェクツは、BIの検索機能を強化する製品「BusinessObjects Polestar」を発売すると発表した。インターネット上の検索エンジンを使用するのと同様の感覚で、キーワードを手掛かりに経営戦略に必要な情報を探し出すことができる。操作を一層容易にすることで、ユーザー層の拡大を図る。同社の基幹BI製品「BusinessObjects XI」上に付加する拡張モジュールとして使用される。
「BusinessObjects Polestar」(以下Polestar)では、基本的にキーワードを入力するだけで、さまざまなアプリケーションやデータソースに点在している企業経営に関わる情報を検索することが可能だ。企業のソース内に格納されたデータに自動的にインデックスが設けられ、エンドユーザーは事前にレポートやメトリックを準備しておく必要はなく、データの所在や構造に精通していなくてもよい。検索や操作には、使い慣れたビジネス用語を使用できる。同社プロダクトマーケティング スペシャリストのコラーナ・インダルディープ・シング氏は「マウスクリックだけで、必要な情報を取り出せる。キーボードを使うのは、キーワードの入力くらいしかない」と話す。
Polestarはまず、キーワードに基づいた最適な情報を表示、その関連情報を追加表示し、さらにそれらの情報を視覚的にわかりやすくするチャートを自動作成する。チャートは情報の属性により適切に表現される。パイチャートが作成されたり、売上や利益率などの数値を比較する場合は棒グラフになるなど、自在に変化する。売上高、受注額などの数値は四半期ごと、製品別、製品のサイズ別というように、多彩な切り口で閲覧することが可能だ。
今回の製品は、BIプラットフォームとしてセキュリティ機能が整備された「BusinessObjects XI」の基盤の上に構築されるため、ユーザーは各人が許可されたデータにだけアクセスするようになっている。
財務、営業、販売、在庫、購買など、企業経営にまつわる膨大なデータは企業内のあちこちに存在しており、エンドユーザーとの間に介在するシステムも複雑化していることが多い。さらに、それらのデータは報告者それぞれにより定義づけが統一されていないことさえある。このような状況の解決策の1つがBIだが、従来、BIは企業内のIT知識に相当通暁しているユーザーを念頭に設計されていることが少なくなかったことから、少数のユーザー層にしか使われない状況があった。
シング氏は「現在のビジネスの現場では、より使いやすいツールが求められている」と強調、「誰か他の人に依存するのでなく、自分の目で見て理解できる」ようなしくみが必要であると指摘する。これまでは企業の意思決定にあたり、本当に必要な情報が入手できなかったり、適切でない情報が届いたりといった状況で「意思決定していいのかわからないような情報を用いたり、経験上の勘で推測したり」(シング氏)ということもあった。同社では「Polestarは、BIを企業内のさまざまな多くの人々に使いやすくするものであり、BIのパワーを容易に与えられるツール」(同)と位置づけ、BIのユーザー層の裾野を広げることを狙う。