米Yahoo!は2月14日(現地時間)、同社株主に対してMicrosoftの買収提案を断った理由について説明を行う文書を送付したと発表した。同社共同創業者でCEOのJerry Yang氏は送付したメールの中で買収提案金額が本来のYahoo!の価値を下回っていることを改めて強調したうえで、人員のレイオフや組織の再編成を経て数カ月前と比較してより迅速に戦略を遂行できる体制になったことを訴える。その目標の1つが、今後数年間でオンライン広告市場シェアを現行の15%から20%に引き上げることである。

Yang氏によれば、Yahoo!のユーザー数は5億人に上り、これは世界のインターネットユーザーの2人に1人は同社サイトを利用していることを意味するという。このように同社はさまざまなオンラインサービスでNo.1のブランドを維持しており、特に(バナーなどの)ディスプレイ広告については90%のシェアを握っていると述べている。2007年に450億ドルだったオンライン広告市場は、2010年には750億ドルと67%近い増加が見込まれている。同氏は主軸となるビジネスにフォーカスし、不採算事業の縮小や撤退を含めて迅速に行動し、同市場を攻略していく計画だという。

またメールの中では日本と中国でのビジネスについても触れており、Yahoo! JapanやAlibabaなどがブランド面で大きな資産であると説明されている。だが本状の中では、他社との提携やMicrosoftの買収提案への対応策などについては具体的な言及がなされていない。Microsoft側ではTOBによる敵対的買収もいとわないと述べており、一方でホワイトナイト候補としてGoogleやNews Corp.などがYahoo!救済に名乗りを挙げている。株主がYang氏の説明だけで納得するのは難しいと思われるため、今後さらに踏み込んだ対応策の提示が必要となるだろう。