フィードパスは、同社が提供するWeb型グループウェア「サイボウズ Office7 for ASP」の新機能としてスケジューラの印刷機能を追加した。この機能、単にスケジュールをそのままの形で印刷する、というわけではなく、手帳サイズに整形/最適化したものを印刷することが可能、という一風変わった機能となっている。
同機能が搭載されるまで、サイボウズ Office 7 for ASPにおけるスケジュール情報の印刷は、"予定の詳細"の画面しか対応していなかった。そのため、スケジュールの一覧を印刷する場合は、Webブラウザの印刷機能を使用するしかない状況であり、"1枚の用紙に収まらない"、"余分な部分が印刷される"などの問題が生じていた。にもかかわらず、「スケジュールの一覧を印刷して手帳に貼り付けて使用している人を多く見かけた」(フィードパス 事業推進室 事業企画グループ 石原悠氏)という。そこで同社は、帳票作成エンジン「帳票SaaS」を提供しているウイングアーク テクノロジーズと提携、帳票SaaSを用いてサイボウズ Office 7 for ASPのスケジューラに手帳サイズで印刷する機能を追加、提供を開始するに至った。
数ある帳票の中でスケジューラを最初に選んだのは、「スケジューラがサイボウズ Office 7 for ASPの中で一番多くのユーザーに使用されているため」(同)だからである。では、スケジューラの画面そのものを手帳にあった形に変更してしまえば良いのか、というとそうではない。「WebにはWebなりの強みがあり、必ずしも手帳と同じ形式が良いとは限らない」(同)ためで、Webブラウザや携帯電話などと同様に、スケジューラを見るインタフェースとして"紙"が加わったとの表現が当てはまるという。
具体的な使用方法はいたって簡単で、スケジューラに用意された印刷ボタンを押すだけである。印刷ボタンを押すと、「ミニポケット」「ミニ5穴サイズ」「ミニ6穴サイズ」「ナローサイズ」「バイブルサイズ」「ディスクサイズ」の6種類の手帳のサイズを選択する画面となり、選択したサイズのPDFが作成される。この印刷機能、7月末まではベータ版として無償で提供される。それ以降については、"従量課金制"もしくは"無償"による提供が検討されている。仮に従量課金制になった場合でも、「かなり安めの金額設定になるはず」(同)という。
帳票化の今後の予定としては、2つの方向性が考えられる。1つはスケジューラの印刷機能の強化。もう1つはスケジューラ以外の帳票への対応である。スケジューラ印刷の強化については、「今は単にスケジュールを印刷するだけですが、現在、地図やアドレス帳との連携が考えられています」(同)と、紙であっても利便性を高める方向が検討されている。また、別の帳票への対応としては、"ワークフロー"への対応があげられる。現在は「出力される帳票と、入力する画面を同じにする」(同)といった検討が行われている段階で、「将来的にはBPO(Business Process Outsourcing)を目指す」と石原氏は語っており、グループウェアを協調作業に用いるのみならず、業務プロセスまでカバーする段階に引き上げるべく、取り組みを進めるという。また、ワークフローの帳票化については「ユーザーの反応次第だが、年内のサービス開始もありうる」(同)とのことである。