米LUNARRは、Web上でドキュメントを作成し、管理・共有できるサービス「LUNARR(ルナー)」のβ版サービスを発表した。昨年10月にα版を公開し、β版では日本語に対応。インタフェースが改善され、Microsoft Word等のファイルがブラウザ上で閲覧できるなどの変更が加えられている。

LUNNARは同社が開発したWebサービスで、SaaSによるWebブラウザ上でのドキュメントの作成・管理にWiki的要素とメーラーを組み合わせたような機能を持つ。ログインすると真っ白なページが表示され、ユーザーはここにドキュメントを作成する。ワープロソフトのように文章や表組みを書いたり、画像を貼り付けたりすることが可能だ。作成・保存したドキュメントは自分の「受信トレイ」ページに表示され、ラベルやマークを付けて管理できる。

ドキュメント編集画面では、文字入力、書体と色、表組み・罫線・画像挿入などが行える。ブログの投稿画面のような操作感だ

画面右上にある三角の"ミミ"をクリックすると、ドキュメントの「裏面」が表示される。「裏面」にはメール機能があり、そのドキュメントを他のメンバーに送ることができる。メールを受信したメンバーは自分の受信トレイからそのドキュメントへのアクセスが可能になり、編集も行うことができる。編集を行うと、同じく「裏面」にある履歴にログが表示される。この際、ドキュメントはコピーが配布されるのではなく、実体はサーバ上にある1つだけ。他者からの操作もすべてひとつのドキュメント上で行われている。

ドキュメントの「裏面」は背景色が変わる。メール送信のほか、変更の経緯がわかる版履歴や参照履歴を管理できる

通常なら、書類作成はワープロや表計算ソフト、メンバーへの配布はメーラーとそれぞれ別のツールで行うが、ファイルが複数人に分散しバージョン管理がしにくい、メール連絡の内容と書類を別々に管理しなくてはならない、などの手間が多くなる。LUNNARではドキュメントを軸にそれに関する連絡履歴やドキュメントの変更履歴を「裏面」に一括してまとめておけることになる。同社によると、α版リリースの際にはビジネスでの企画書や提案書など、複数人で関わる業務での活用を想定していたが、学生の研究レポート作成や、弁護士の法律関係書類など様々な場面でニーズがあったという。

作成したLUNNARドキュメントはPDFでローカルにエクスポートすることができる。また任意のWebページを読み込み、LUNNARドキュメント(編集可能)または画像(JPEG)に変換できるなど、ファイル形式にとらわれず柔軟な運用が可能だ。

β版では新たに画面表示が日本語に対応した。また、ローカルで作成したWordやExcelなどメールに添付したファイルを、ダウンロードすることなくブラウザ上で閲覧することが可能になった。同サービスの利用は、LUNARR利用者からの招待制となっている。β版は無償で利用でき、2009年から有償化を予定している。動作環境はInternet Explorer6.0以上およびFirefox1.5以上。