米Yahoo!は2月6日(現地時間)、同社の中小企業向けブランド「Yahoo! Small Business」のサービスのひとつ「Yahoo! Web Hosting」をリニューアルした。Web Hostingではストレージ/電子メールの保存容量や転送データ量が無制限になっており、月額11.95ドルで利用できる。サービスの利用制限撤廃でユーザー拡大やサービスの継続利用を促すのが狙い。

Yahoo! Small Businessは、中小企業がインターネット上で専用のWebページを持ったり、電子メールなどの活用を支援するサービス群の総称ブランド。サービス群にはドメイン代行、電子メール、Webホスティング、Eコマースなどが含まれ、別途提供されるWebサイト構築ツールを使って比較的容易に自社名義の専用Webサイトやシステムを構築できる点が特徴。このほかインターネットでのマーケティング支援サービスなども用意されており、「インターネットの世界に進出したいがノウハウがない」という企業を主なターゲットにする。同種のサービスにはMicrosoftの「Office Live」やGoogleの「Google Enterprise」などが挙げられ、今後の成長市場のひとつとして注目を浴びつつある。

中小企業向けサービス市場が盛り上がりを見せつつある一方で、ライバル間の競合も激しくなりつつある。Yahoo!は昨年(2007年)9月、コラボレーションスイート製品の開発で知られる米Zimbraを買収している。Zimbraの製品は、電子メールやスケジュール管理などのグループウェアアプリケーションをWebブラウザ経由で提供するもので、MicrosoftのOutlookやWindows Live Mail対抗になるとみられている。中小企業向け市場攻略にあたり、ZimbraはYahoo!にとって大きな武器のひとつだといえる。

また米Googleは2月5日(現地時間)、同社が買収したセキュリティ企業の米Postiniの技術を使い、スパムやマルウェアなどを防止する電子メールのフィルタリングサービス「Google Message Filtering」や、コンプライアンス機能を強化した「Google Message Security / Discovery」を発表し、企業向け電子メールサービスの強化を図っている。