業務アプリケーション大手の独SAPは1月30日(現地時間)、2007年第4四半期(10月-12月期)および2007年通年の決算報告書の暫定値を発表した。第4四半期の売上高は、前年同期比10%増の32億4000万ユーロ、純利益は同6%減の7億5600万ユーロ。1株当たり利益は63ユーロセントで前年同期より3ユーロセント減となった。同社は自社シェアを28.4%と見積もっており、8四半期連続でシェアを拡大したと主張している。
第4四半期の売り上げの内訳を見ると、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスは前年同期比13%増の24億7000万ユーロ、ソフトウェアは同14%増の14億2000万ユーロとなった。総売上の増加率を上回り、同期はソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスが業績を牽引した。
地域別では、欧州・中東・アフリカ(EMEA)地区は7億8000万ユーロで前年同期比12%増の7億8000万ユーロ、南北アメリカ地区は前年同期比9%増の4億5600万ユーロ、アジア太平洋地区は同40%増の1億8000万ユーロ。
純利益は前年同期から6%減の7億5800万ユーロ、1株当たり利益も前年同期からマイナスとなった。営業利益は同2%増の11億1000万ユーロとなったが、営業利益率は前年同期の36.9%から34.3%に下がった。同社ではこの理由について、「SAP Business ByDesign」など新規分野となる中小規模企業(SMB)向け事業開拓に約4000万ユーロを投資したことを挙げている。
通年では、総売上高は102億5000万ユーロで前年から9%増となった。ソフトウェアの売り上げは前年比13%増の34億1000万ユーロ、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスでは、売上高は74億3000万ユーロで前年から13%増やした。純利益は19億4000万ユーロで前年比3%増、1株当たり利益は同5%増の1.6ユーロだった。
SAPでは、コアエンタープライズアプリケーション分野における第4四半期の自社シェアを28.4%としている。これはソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売り上げに基づいたもので、前四半期の26.9%から1.5ポイント、前年同期の24.4%から4ポイント伸ばしたことになる。8四半期連続でシェア値を増やしているという。
2008年通年の見通しとして、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス分野の売上げは24~27%増加するとしている。
SAPは第4四半期、BI(ビジネスインテリジェンス)大手の仏BusinessObjects、ビジネスルール管理のインドYASU Technologiesの買収を発表しており、今後はビジネスパフォーマンス最適化分野を強化する計画という。