ルネサス テクノロジは31日、ルネサスが所有する同社熊本工場の建物および付帯する生産設備などを三菱電機に売却すると発表した。建物および生産設備の売却額は110億円。

三菱電機は、2003年4月にシステムLSI事業およびシステムメモリ事業を日立製作所と共同で設立したルネサス テクノロジに移管、パワー半導体と高周波デバイスに特化する事業を展開してきた。今回のルネサス熊本工場取得は、ウェハの生産能力拡大を目指す三菱と、フラッシュメモリ事業から撤退し、設備の有効活用を模索していたルネサスの思惑が一致したもの。

ルネサス熊本工場は、ルネサス設立時に三菱から移管されたこともあり、三菱のパワーデバイス製作所熊本工場と同一の敷地内にある。そのため、三菱では、地理的利便性や経済合理性などの観点でルネサス熊本工場の取得が望ましいと判断した。また、ルネサス熊本工場で、200mmウェハを用いて三菱電機向けにパワー半導体を受託生産していたことも要因となっている。

両社は今後、譲渡に関する諸条件について具体的な協議を行い、4月1日付けで三菱電機に移管する方針だ。