英国ベースの音楽業界団体、国際レコード産業連盟(IFPI: International Federation of the Phonographic Industry)は24日(現地時間)、最新のデジタル音楽レポート「IFPI Digital Music Report 2008」を発表した。デジタル音楽の売上高は2007年、約29億ドルに達した。これは前年比約40%増となり、全体の15%を占めるという。IFPIは違法ダウンロードの取り締まりを強化するため、ISPに協力を呼びかけている。

レポートによると、PCと携帯電話を利用した音楽ダウンロードの売上げは2007年、29億ドルとなった。5年前の2003年にはゼロに等しかった市場だが、今年は前年比40%増となるなど、急成長を見せた。現在デジタル音楽市場は、CDなど音楽全体の売上高の15%を占めるという。昨年は11%だった。この比率は米国で最も高く、30%に達しているという。同団体によると、音楽市場はゲームに次いでデジタル化が進んでおり、新聞(7%)や映画(3%)を上回るという。

現在、合法音楽ダウンロードサービスは500以上あり、600万曲以上が提供されているという。

このようにデジタル音楽は成長しているが、CDの売上減を相殺するレベルではないとしている。

また、違法ダウンロードも引き続き問題としている。そこで、同レポートでは今回、ISPに対し、違法ダウンロード行為を見つけた場合は自動切断する、フィルタリング技術を導入するなどの手段を講じて、取締りに協力するよう呼びかけている。見積もりによると、ISPトラフィックの80%が著作権侵害したファイルのやりとりに使われており、違法音楽ファイルは合法のそれの20倍としている。