音楽ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の英Last.fm(米CBS傘下)は23日(現地時間)、自社の音楽コンテンツを無料でストリーミング配信するサービスを発表した。広告を付けることで無料とし、自社会員以外にも利用できるようにする。「世界的に利用できる初のオンデマンド無料音楽ストリーミングサービス」としている。英国、米国、ドイツの3カ国で、まずは提供を開始した。
Last.fmは、コミュニティ機能とレコメンデーションエンジンを連携させた音楽SNS。会員間が自分の楽曲を共有でき、好みが似ている会員同士によるネットワークを作る。レコメンデーションエンジンは、自分がこれまでに聴いた曲情報などをベースに新しい音楽を推薦してくれるもの。世界240カ国以上に会員を持ち、月間ユニークユーザーは2000万人以上という。
今回の無料音楽ストリーミングは、Last.fmの会員以外でも利用できるオンデマンドサービス。広告をつけることで無料とした。これにあたり、Last.fmは、Universal Music Group、Sony/BMG、Warner、EMIの4大レコードレーベルと提携、さらにはCD Baby、IODA、the Orchard、Naxos、それに15万曲以上のインディーズ系も取り扱う。
無料ストリーミングは1曲あたり最大3回まで可能。その後は、同社がアフィリエイト提携しているiTunes、Amazon.com、7 Digitalの3サービスを利用して楽曲を購入できる。
無料音楽ストリーミングサービスは、仏Deezerなど一部ではじまっているが、Last.fmでは世界的に利用できるサービスとしては初としている。同サービスは、まずは英国、米国、ドイツの3カ国で提供を開始し、数カ月以内に世界的にローンチする予定だ。
Last.fmは同日、レコードレーベルと契約していないアーティスト向けのサービスとして「Artist Royality」も発表した。アーティストは自分の楽曲をLast.fmにアップロードし、視聴者が自分の楽曲を再生した際は広告収益をLast.fmと共有できるという。このようなサービスを利用することで、これまでのようなレコーディング素材やパブリッシュ契約がなくても、世界の視聴者にリーチできるとしている。