米Texas Instruments(TI)は、2007年第4四半期および通期の決算を発表した。同四半期の売上高はグラフ電卓の季節的需要減があったものの、半導体事業の需要が増加したことから前年同期比2.7%増の35億5,600万ドルとなり、2006年第4四半期以来のプラス成長となった。また、営業利益は利益率の改善(前年同期比7.9ポイント増)などの要因から同29.9%増となる9億9,600万ドル、純利益は同13.2%増となる7億5,600万ドルとなった。
半導体事業部門の同四半期売上高は、DSPならびにアナログ製品の需要増により同2.8%増の34億8,000万ドルとなり、こちらも2006年第4四半期以来のプラス成長となった。部門/製品別の売上高は、アナログIC関連ビジネスがDSL事業部門の売却による減少があったものの、高性能アナログ製品の需要増に支えられ同4%増の13億7,000万ドルとなった。また、DSP製品関連ビジネスの売上高は携帯電話向け製品の需要増により同12%増の13億6,000万ドルとなった。このほかの半導体事業は、DLP製品ならびにRISCマイクロプロセッサ製品の売上減などの影響により同14%減の7億3,900万ドルとなった。
一方、通期の売上高は、RISCマイクロプロセッサ、携帯電話向け製品、DLPなどの需要減の影響を受け前年比2.9%減となる138億3,500万ドルとなった。営業利益は利益率の1.7ポイント改善により同3.9%増の34億9,700万ドルとなったものの、純利益は売上高の減少などにより同38.8%減の26億5,700万ドルと大きく落ち込んだ。
また、通期の半導体事業の売上高は同3.1%減の133億1,000万ドルとなった。事業/製品別売上高では、アナログIC関連ビジネスが高性能アナログ製品の需要増を携帯電話向け製品の需要減が相殺する形となり、同1%増の52億9,000万ドルにとどまった。DSP製品関連ビジネスの売上高も携帯電話向けを中心に需要が減退したことにより、同2%減の50億7,000万ドルとなった。このほかの半導体事業の売上高は、DLPおよびRISCマイクロプロセッサの需要減により同12%減の29億5,000万ドルと2桁のマイナス成長になった。
同社では、2008年度第1四半期の売上高を32億7,000万~35億5,000万ドルの範囲を見込んでおり、そのうち半導体事業部門は32億~34億6,000万ドルの範囲が見込まれている。また、通期の研究開発費は約20億ドル、設備投資費は約9億ドルが予定されている。