中国の検索エンジンサイト「百度」を運営する百度は23日、同サイトの日本版「Baidu. jp」の正式なサービスを開始したと発表した。発表会では、百度総裁兼CEOのRobin Li氏が「2012年までに世界で最も競争力のある検索エンジンになるという目標の中、世界第2位の経済大国で高速ブロードバンドのインフラが整っている日本市場の重要性は非常に高い」と述べ、日本での今後の事業展開に強い意欲を示した。
百度は、中国の検索エンジン市場の中で、Google(中国名「谷歌」)やYahoo(同「雅虎」)を抑え、約7割のシェアを誇る"中国最強"の検索エンジンサイト。同サイトでは、検索エンジンだけでなく、Q&Aサービス「百度知道」、ブログサービス「百度空間」、「百度掲示板」なども展開、また、昨年からは独立したゲームチャンネル「百度遊戯」を立ち上げるなど、積極的な事業展開を行っており、中国のユーザーから大きな支持を得ている。
同サイトの日本版であるBaidu. jpは、日本市場向けに開発された検索サービスで、2007年3月にWeb検索とイメージ検索のβ版サービス提供を開始、その後、動画検索のβ版提供を開始した。今回の発表会では、Web検索、イメージ検索、動画検索の正式なサービス提供開始が発表された。
東京都港区のホテルで行われた発表会で、百度総裁兼CEOのRobin Li氏は、「百度が中国ユーザーの支持を得たのは、徹底したローカライズとユーザー本位、使いやすいサービスを志向してきたためだ。日本はインターネット環境の浸透度も高く、今後のサービス拡大を期待している」と、日本版の本格開始にあたっての抱負を述べた。
続いて、百度の日本法人代表で代表取締役の陳海騰氏が「中国と同様、現地化を徹底し、検索事業に特化したサービスを提供したい」と発言。また、同法人取締役でVice Presidentの舛田淳氏は、「日本の検索市場は、GoogleとYahooの2強が圧倒的。だが、他の検索エンジンに興味がないかというとそうではなく、当社の調査では、約5割のユーザーが別の検索エンジンに乗り換える可能性があると回答している」と指摘。
その上で、「日本のユーザーは高い検索精度を求める傾向が強い。当社はこうした要望に応えるためにも、平面的なテキスト分析から視覚的なハイパーテキスト分析、字面のキーワード理解からキーワードの意味理解へと検索エンジン技術を進化させ、複数の検索エンジンを利用するユーザーのためのセカンドサーチエンジンを目指す」と日本市場における事業戦略を述べた。
その後、今回新たに提供が開始されたブログ検索のβ版などについてのデモが行われた。