W3Cは22日(米国時間)、HTML 5のワーキングドラフトを公開した。HTML 5はHTMLの5つめの改訂バージョンとして策定が進められているコア仕様。Webアプリケーションの開発を容易にするために新機能や新しい要素の追加が検討されている。またWebブラウザなどの表示互換性を向上させるように配慮されているという特徴がある。
W3CにおけるHTML 5の策定はHTML Working Groupによって進められている。同グループの期限は2007年3月に一旦きれたが、そのまま責務を継続し2010年いっぱいまで作業する。同グループが掲げているスケジュールによれば1年以上先となる2009年3月にワーキングドラフトの最終版を発表し、2009年6月に準備リコメンデーションを、2010年6月にプロポーザルリコメンデーションを発表し、2010年9月にHTML5をW3C勧告として公表となる。
HTML 5では2D描画を実施するためのAPIが追加されるほか、オーディオやビデオを組み込みための要素の追加が検討されている。こうした機能はリッチコンテンツの実現を簡単にするほか、RIAの開発を容易にする。またHTMLドキュメントをハンドリングする方法やエラーをリカバーする方法などの規則も規定することでソフトウェア開発のコストを削減し、相互運用性を向上させる狙いがある。
HTML5はもともとWebブラウザベンダが参加するWHATWGコミュニティによって作成が進められていた仕様。Web Applications 1.0やWeb Forms 2.0などの機能を取り込んでおり、一部の機能はすでに最新のWebブラウザに実装されている。WHATWGは2007年4月、W3Cに対してHTML5の策定を打診。以後、W3Cを策定場として作業が進められてきた。HTML5は関係している団体や規約、当初の目的など考えて次期HTMLとして普及が有力視される。