ストレージベンダー最大手の米EMCは1月22日(現地時間)、企業ユーザー向けのオンラインバックアップサービス「MozyEnterprise powered by EMC Fortress」を発表した。同サービスは2007年10月にEMCが買収した米Berkeley Data Systemsの「Mozy」がベースになっており、月間サブスクリプションのSaaS(Software as a Service)形式でオンラインストレージ上へデスクトップPCやサーバのデータが自動バックアップされる。
MozyEnterpriseは、従来より提供されているMozy Proの機能拡張版。マルチテナント型SaaSアプリケーション配信プラットフォーム「EMC Fortress」上にホスティングされた初のアプリケーションサービスで、EMCの持つストレージ管理技術や子会社RSAのセキュリティ技術を組み合わせて、より企業向けに信頼性を高めたものとなっている。デスクトップPCやノートPCなどのクライアントマシンのバックアップはもちろんのこと、Windows Serverなどのサーバ環境のバックアップにも対応する。SQL ServerやExchange Server、VMwareのバーチャルマシンなども動作中にスナップショットを取得して、ファイルのロック/非ロックを問わずにバックアップが可能。バックアップはスケジュール化が可能で、リモートサイトにあるマシン群の自動バックアップが容易に行える。またオンラインストレージへの転送は暗号処理されているため、重要なデータも安全に扱うことができる。ここでバックアップされたデータは最大30日間保存され、好きなタイミングのスナップショットを選択してリストアできる。
サービスは発表同日より北米で提供が開始され、EMCまたはリセラーパートナーから購入可能。北米以外の地域のユーザーについては2008年末よりサービスが提供される。対応プラットフォームはクライアントPCがWindows XP/Vista、サーバがWindows 2000/2003。64ビット版Windowsもサポートする。価格はクライアントPC向けのサービスが1台あたり月額5.25ドルで、これに容量1GBあたり月額0.70ドルが加算される。サーバ向けは1台あたり月額9.25ドルで、容量1GBあたり月額2.35ドルとなる。サブスクリプション契約となるため、初期導入コストは特にかからない。