米IBMは21日(現地時間)、米Intelと米Ciscoと共同でフランス南部のモンペリエにあるIBM Montpellier CenterにHPC(High Performance Computing)ソリューションの検証施設をオープンしたと発表した。Intelプロセッサを搭載したIBMのブレードサーバをCiscoのInfiniBand/Ethernetスイッチを用いて接続し、世界最速クラスのコンピュータクラスタを構築したもの。数値解析、機械工学、航空宇宙デザインなど、HPC用途向けアプリケーションの検証やベンチマークを必要とするユーザー企業やISVを対象に解放する。
今回のHPCソリューションでは、IBMのSystem Cluster 1350がベースになっている。System Cluster 1350は、AMDやIntelのx64プロセッサのほか、IBMのPowerプロセッサを採用し、IBMのx64サーバ「System x」やブレードサーバ「BladeCenter」、そしていくつかの管理ツールやアプリケーションを組み合わせたもの。スーパーコンピュータのランキングを決めるTop500 Listの最新版「November 2007 TOP500」でランクインしているIBMの186のクラスターシステムの1つとしても採用されている。今回のケースでは、45nm/65nmのクァッドコアXeonを32台のBladeCenterに搭載している。これにCiscoの「SFS7000」「SFS3000」といったInfiniBandスイッチを組み合わせることで、高速インターコネクトによるHPCクラウドを構成している。
IBMディープコンピューティング部門のセールス担当バイスプレジデントDave Jursik氏は「中小企業や部門レベルの用途でもHPCのメリットを」と述べており、同センターでは幅広いユーザーやパートナー企業をターゲットに考えているようだ。またプロジェクトに参加した3社の最新テクノロジーをアピールする側面もあり、IBMでは「最新技術のリリースに合わせてシステムを順次拡張していく」とも述べている。