米紙「The Wall Street Journal」などの報道によると、米eBayの創設者でCEOのMeg Whitman氏が近く辞任する予定だという。1998年に同社を創設し、世界一のオークションサイトに育て上げた人物の離職は、同社のみならず、シリコンバレー全体に大きなショックを与えそうだ。

WSJ紙によれば、Whitman氏は自らの意志でCEO辞任を決断したという。後継にはWhitman氏が2005年にスカウトした同社オークションビジネスユニットのプレジデント John Donahoe氏が有力視されている。同紙によれば「(Whitman氏の辞任も含め)状況はまだ流動的」ということだが、eBayのスポークスマンは本件へのコメントを拒否している。

辞任報道の背景には、ここ数年に渡って同社のオークション部門の収益の伸びが鈍化していることに加え、昨年、2005年のSkype買収に関連した評価損が14億ドルにも達したことや、eBayのトップマーチャント(大口出品者)の多くがAmazonに移ってしまったことなどが挙げられているという。Whitman氏はこれらの責任を取る形で辞任するという説が有力だが、一方で、シリコンバレーでもわずか数人となった創業者CEOとして、自らの引退の機会をつねに窺っていたとも言われている。

eBayの2007年第4四半期決算は米国時間で23日に発表される。