富士通は21日、同社のLSI事業部門を2008年3月をめどに分社化することを決定した。また、併せて90nmプロセス以降の先端プロセス技術の開発および量産試作を同社三重工場に一本化することを決定した。

富士通のLSI事業は、ロジックLSI事業を中核に展開しており、社内外のパートナーと戦略的に提携し、設計開発から製造、販売まで一貫して提供を行う「New IDM」を標榜してきた。コアコンピタンスを「先端プロセス技術」「競争力のある豊富なIP」「システムLSIの一発完動を実現する設計技術および豊富な顧客基盤」とし、このコアコンピタンスをもとにASIC(Application Specific IC)事業に加えASSP(Application Specific Standard Product)事業にも注力してきた。同社は、今回の分社化により、LSI業界ならではのスピーディかつ柔軟な事業展開をこれまで以上に推し進めることができるようになるとしている。

また、併せて同社は、90nm世代以降の先端プロセス技術開発および量産試作を、現在のあきる野テクノロジセンターから三重工場に移管することを決定した。三重工場への製造設備の移管は2008年3月をめどに開始する予定。すでに45nm世代のプロセス技術開発は三重工場へ移管中であり、2008年度上期をめどとして移管が完了される予定だ。移管費用については約100億円と見込んでいるが、現在精査している段階であるという。

なお、同社では、あきる野テクノロジセンターから三重工場へデバイスの開発センターを移管することにより、45nm世代以降のプロセス技術開発のさらなるスピードアップと量産適合性が確保されるとしている。