米Googleは17日(現地時間)、環境問題や貧困問題など地球規模での問題解決を目指し、今後5年から10年にわたる同社の社会貢献モデルを発表した。これは同社の社会貢献担当部署である「Google.org」が表明したもので、その内容は5つのイニシアチブから構成される。今回の発表にあたっては2,500万ドル以上の提供が新たに行われ、それぞれの分野のエキスパートと協力して目標を推進していくことになる。

この2,500万ドルは、Google創業者らの呼びかけで同社資産の1%、そして年間利益の1%から拠出されたもので、これにさらに従業員の労働時間の一部が割り当てられる。米Googleのグローバルオンラインセールス&オペレーションVPであり、またGoogle.orgのボードメンバーでもあるSheryl Sandberg氏は「2004年に創業者のLarry PageとSergey Brinから送られた最初の手紙には、"世界をより良い場所にするような、Googleをそんな組織にしたい"と書かれていた。Google.orgの仕事は、Googleの技術を使ってこうした複雑な問題を解決することだ」と説明する。Google.orgのエグゼクティブディレクターのLarry Brilliant氏は「今後10年間で世界が直面する問題に取り組むもの」と、その活動意義を述べる。

今回発表された5つのイニシアチブは下記となる。地球規模の環境的な取り組みから、教育や行政、新エネルギー開発など、大小含めたさまざまな取り組みが行われる。

  • Predict and Prevent(地球温暖化や災害、病気などの予測と予防)
  • Inform and Empower to Improve Public Services(Inform and Empower)
  • Fuel the Growth of Small and Medium-Sized Enterprises(SMEs)
  • Develop Renewable Energy Cheaper Than Coal(RE<C)
  • Accelerate the Commercialization of Plug-In Vehicles(RechargeIT)

このほかGoogleでは、NPOのような非営利団体向けに「Google Grants」と呼ばれる製品も提供している。これはGoogle Appsの広告除外バージョンで、非営利の製品をそのまま団体に寄付することを意味する。またGoogle Earthがダルフール紛争の惨状を世界に知らせるモニタリングソフトとして活用されるなど、さまざまな形で製品やサービスが利用されていることがわかる。

米国の主幹産業の1つであるIT企業を多数擁立するシリコンバレーでは、こうした社会貢献を積極的に推進する企業が多い。例えばGoogleと同時期にIPOを果たした米Salesforce.comも、「1% Equity, 1% Time, 1% Product」のキャッチフレーズに社会貢献を前面に押し出してさまざまな活動を続けている。事実上IT業界のリーダーの1社になったGoogleがこうした活動を推進することは、他のライバルにとってもいい意味での刺激になるだろう。