W3Cは15日(米国時間)、SPARQL Query Language for RDF、SPARQL Protocol for RDF、SPARQL Query Results XML Formatの3つの技術仕様をW3C勧告として発表した。今回公開されたSPARQL関連の仕様は、技術仕様の正式公開という側面以外にも、セマンティックWebにおけるデータ操作を加速させる鍵となる技術として重要な側面を担っている。
SPARQL(スパークル)はデータの問い合わせを行うためのクエリ言語。RDBMSのデータを操作するためにSQL言語が開発されたように、セマンティックWebのデータを操作するためにSPARQLを使うことを想定して策定されている。SPARQLを使ってデータの問い合わせを実現することで、その背後にあるデータ形式を加味する必要がなくなり、問い合わせそのものに注力できるようになる。
クエリ言語としてはすでにSQLやXQueryなどが有名で、それぞれの分野において成功を収めている。しかしながら、これら既存のクエリ言語はデータベースなど特定の分野に特化したもので、より汎用的に使えるクエリ言語ではない。SPARQLは、言ってしまえばWebという広範囲に渡って分散しているネットワークに特化したクエリ言語だ。インターネット、分散環境、マッシュアップ、セマンティックWebなどを加味して設計されており、汎用的に扱えるようになっている。
SPARQLにはすでに14の実装系が存在する。今後ネットワークを介したデータの操作にはSPARQLが活用されることになりそうだ。SPARQL自身はSQL言語とXML/URIが組合わさったような作りになっている。SQLそのものではないため、扱うには慣れが必要だが、一度身につけてしまえば慣用的で強力なデータアクセス用ツールになるのは間違いなさそうだ。